ういんたーらばー RU

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「ねー、おこってる…?」 最近は日が落ちるのが早い。 5時なのにもう真っ暗な道を 二人で歩きながら、珍しく 何も喋らない俺を気にしたのか 探るように聞いてきた。 その顔を覗きこむ仕草とか 狙ってなのか、それとも自然になのか とりあえず怒ってる俺のツボでさえ的確につかれてるのが悔しい。 けれども、うん 俺は今怒ってるって言うか 完全に不機嫌や。 「…べつに何も」 「だって顔がいつも以上に怖いもん」 「うっさいボケ」 「ねー、なんなの 俺わかんないよ」 マフラーに顔を埋めて拗ねた様な声、やっぱかわえぇ。 竜也が自覚無しならこれは 俺の怒ってる理由を説明してあげるべきやと思うけど …情けない、理由が我ながら女々しいわ。 「…中丸」 「え?」 「ほら、お前の幼なじみや」 「うん、分かるよ 雄一がなんの関係があんの?」 「…その、」 あー!言いたくない! なによりコイツに負けた感じが するのが嫌や! 俺は尻に敷かれたりなんかせーへん、亭主関白やねん。 …ちょっと脱線したわ。 「雄一がなんなの?」 「いや、あいつと今日なにしてたん?」 「へ?委員会が同じでー 2人で教室残っててー そしたら変なヤクザが来てー なんか分かんないけどキレてるみたいな」 「…その変なヤクザさんが キレる前、なにしてました上田くん」 「えーっと、雄一に全部資料まとめさせようと思ったら 3分の1で良いからやってくれ って言われたから仕方なく やってやったら、できるじゃん って頭ぽんぽんされた」 …あれ、普通に言いますか。 .
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