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ガンガンお腹と頭に響く大音量の音楽。目の前には代わる代わる色んな光がチカチカして見渡す限り人がいて
なにか自分がいけないことをしてるんじゃないかって錯覚してしまうくらい
ここが現実と離れた場所に俺は思えた。
「ねぇ、こうき
お酒飲むだけだよね?」
「ん?んな怖がんなってかめ!(笑)」
音楽に負けないくらい大きな声で聖が笑った。
…そもそもこんなとこに来るハメになったのは今隣にいるイカツイ兄ちゃん風の聖のせいだ。
俺は聖の腕にしがみつきたいのを必死に我慢して言い返した。
「だって!俺こんな夜中に
渋谷来たことだって少ないのにさ…」
「いやーそれチョー損してるよ
お前そのルックスだったら
女引っかけんのも一発なのに」
「引っかけるって!」
「え?なになに真面目な亀梨君はお見合いでもする予定だったんですかぁ?(笑)」
「ちーがーう!だって、女の子となら学校で出会えるじゃん!」
「お前な、俺があの大学入れたのは奇跡中の奇跡なんだよ
会話しててもバカってバレるとお前みたいに番号渡されたりしないわけ」
「あ、じゃあ俺がもらったのあげよっか?」
「…お前さ、それ嫌味?」
「冗談だって…
そんな怖い顔すんなよ
ただでさえイカツイのに」
「うっせぇ!とにかくお前こそ情けない顔してると落とせる女も落とせねぇぞ
あ、ここIDチェックとかないから堂々としてろよ」
「うん、分かった」
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