有頂天 AK

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* * * 「こーき…っ!」 「え?…あぁっ!!おまっ どこいたんだよ!さがしたじゃねーか!」 あのあと、自分のベルトを外すジンを見てたらまた怖くなって 情けないことに俺が泣きだしたら ジンは頭撫でてくれたりなんかしてトイレから出してくれた。 急いで聖の元へ戻ると 携帯片手にものすごい形相で 肩をつかまれ揺らされる。 「ごめん、ほんとにごめんね… ちょっと、トイレ行ってて」 「なんだ!そうだったのかよ! 俺行ったの気付いた?」 「ううん、気付かなかった…」 「そっか まぁ、無事でなによ…」 「ん?」 鼻をすすった聖が変な顔をして 俺の首の辺りに顔を埋める。 「お前、なんかすげー匂いしねぇか?」 「えっ?そ、そう…?」 「香水と煙草がまざったような…あと、ハーブ?」 「ハーブ?!」 「あぁ、ハーブっぽい…」 「ま、まぁ、こんなとこに長時間もいたら、そんな匂いだって…」 「…うん、まぁそうだよな そろそろ、帰るか? お前、顔紅いし大丈夫?(笑)」 「だっ、……!? う、うん、平気…」 聖の後ろに見えた姿… 必死に動揺を隠してすれ違うのを待った。 音楽が必要以上にお腹に響いて、出口へ向かう聖の後ろに隠れるように下を向く。 ガサっ え…? ジーパンの腰の辺りの違和感と共に、ジンのあの匂いが通り過ぎた。 "See you again Jin" 振り向いても、もうジンの後ろ姿は見ることができなかった。 聖に呼ばれて受付の怖いお兄さんの前を通ると 一気に静かで汚い夜明け前の現実へ引き戻される。 ポケットの中の紙切れはこのままだと消えてしまうような気がした。 何回も確認した また、会いましょう… もう一度振り返ると 今度はさびれた扉しか見えず 俺は慌てて聖の後を追いかけた。 END ――――――――― 長くなりましたねー 私のかめへの愛は歪んでいますねー…w
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