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「あー、最近してねー…」
いつものclubの
いつものvip roomに
いつもと変わらないメンバー。
楽しいけど、余りにもいつも通りの盛り上がり方に
珍しく俺の意識は考え事の方へ流れていた。
そして、一通り考え終わって無意識の内に発せられたらしい一言。
「はぁ?」
「えっ?」
隣にいた亮ちゃんが聞いていたらしく「なに言ってんの?」みたいな顔をしている。
「仁が気に入ってた昨日の女の子は?上機嫌で帰り送ってく~ってゆーてたやん」
「あぁ、うんもちろんそいつは食ったよ」
「なんや、お前どんだけ発情期やねん」
「違う、あれだよ
男と」
「…あぁ」
亮ちゃんは呆れたように口端を歪ませた。
シャンパンをあおって、かめはどうしたんや?最近新曲のプロモーションも終わっちゃったし、全然会えてねぇ。
俺も自分で言ってて寂しくなって、シャンパンを一口飲んだ。
初めて同性を相手にしたのは
…いつだ。
思い出せねーけど、俺は今も間違いなく、女よりも締め付けられるその感覚に取りつかれている。
別にかめをただの遊び相手と思ってるわけじゃない
…でも。
「女ばっかりもなー」
「贅沢なヤツやな」
「亮ちゃんだって
1、2回くらい相手したことあんでしょ?」
「はぁっ?お前と一緒にすんなやボケッ」
「えっえーっ?
それガチ?ガチの反応?」
「ガチやっちゅーねん」
へぇ~、のへのときに声が裏返っちゃって間抜けな相づちをうった。
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