desire AR

3/8
前へ
/163ページ
次へ
誰かがカラオケを始めたらしく、その場がもっと熱く騒がしくなった。 「あーどっかに、可愛くてさー なんかツンデレみたいなコいねーかな」 「アホかお前、新宿二丁目行けや(笑)」 「ゴリゴリのオカマしかつかまんねーじゃん(笑)」 「男とできたら満足なんやろ?」 んーそうなんだけど まぁ、やるからには俺も心から気持ちよくなりてーし? そんな、ただのおっさん相手にできるほど俺は、広いストライクゾーンの持ち主じゃない。 周りを見渡しても、女と騒ぐごっつい男ばっか… 一周して亮ちゃんに視線が戻った。 …あ。 「いた」 「は?」 「可愛くないし ツンデレっつーか生意気だけど」 「なんや、お前… その、いやらしい目は」 ちょっと口悪いけど、酔うとでれでれにだらしない顔になるし お酒の力さえあればそう言う雰囲気持ち込めなくも、なさそうな相手。 遊ぶときはいつも俺の隣にいて 去年のクリスマスも何だかんだ一緒に過ごしてしまった。 「亮ちゃん」 「ちょ、近いわあほ…っん!?」 グラスのシャンパンを飲み干した勢いで、そのまま亮ちゃんの唇に自分の唇を押し付けた。 一緒にいることに慣れてくると こんなにもスムーズにキスできるのか。 少し感動してると、俺らの異変に気付いた友達が奇声をあげて冷やかす。 「Oh,Jin!He is Ryo!!」 「Are you OK~!?」 大袈裟なジェスチャー付きで 亮ちゃん以外は楽しそうにはやし立てる。 当の本人は、フリーズ。 .
/163ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1042人が本棚に入れています
本棚に追加