desire AR

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結局無言のまま着いてきて、亮ちゃんの部屋の前。 ドアをあけて中へ入るのを確認して、じゃあおやすみ… 今来た通路を戻ろうと思ったら、右腕をすごい力で掴まれた。 「いって…!」 「仁、飲み足りてないやろ? 俺突然でよくわからへんかってんけど、ノリ合わせとけば良かったな…」 「えっ、なんか 亮ちゃんらしくないの…(笑)」 予想外の亮ちゃんの言葉に思わず笑った。 小さい声でごめん、って言うとき目線を合わせてくれないあたり やっぱり亮ちゃんだと思ったけど。 「はぁっ?仁やってさっきあんなアホみたいな顔して ごめん、ってゆーてたくせに」 「気付いてたのかよ!返事してくれってー(笑)」 「…あ、明日早くなかったら 飲み直さへん?いつも、わいわいやって終わってまうし たまには、ゆっくり話すのもええんちゃうかなーって」 そう言い終わってから はっ、と思い出したように 掴まれてた右手を離された。 素直に頷いて、ソロコンで披露した曲を作ったとき以来入る亮ちゃんの部屋。 物が少なくて、綺麗で 相変わらず冷蔵庫には 「水しかねー(笑)」 「そんな、俺の家にオレンジジュース置いといてもしゃーないやん(笑)」 「いや、お酒とか」 「家で飲む暇あったら 仁に誘われてるし」 なぜだかその言葉が嬉しかった。 近くのコンビニで必要な分だけの酒や煙草を買って、かめのときは当たり前のように、全部の荷物を持つけど 亮ちゃんにはなんとなくそんなこともできないまま、マンションへ戻ってきた。 .
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