cosmos NU

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「たっちゃん 宇宙エレベーターって 知ってる?」 久々にたっちゃんがうちに来た。 返ってくる返事 一応予想はついてるけど 白いテーブルにコーヒーとココアを置いて。 (俺は苦いのが無理) 「んー?知らなーい」 雑誌からあげた顔は その話に興味があるともないとも受け取れる。 …ま、たっちゃんは 雑誌読みながらだし、良いか 俺はたっちゃんの隣に座って それについて話始めた。 「宇宙までエレベーターで行けるんだって ロケットよりも安全で低コストで 宇宙飛行士みたいに訓練しなくても 俺らでも使えるんだ 1週間くらいで宇宙の静止軌道 に到着出来るの 2018年完成予定なんだってさ すげーよな、あんなとこに エレベーターで行けるんだよ」 あ やべっ、 つい語りすぎたかな? なんて漆黒の夜空から 隣に目線を移すと …あら、珍しい にこにこ顔のたっちゃんが。 「今の話…面白かった?」 「ううん 面白くないけど…」 「(あ、やっぱり) けど…?」 「好きだった、今の顔」 今の雄一の顔 なんかすごく良かったから。 伏し目がちにはにかんだように言われたら 話は中断せざるを得ないでしょ。 肩を抱いてキスをすれば 珍しいね、雄一 眼鏡を外してまたにっこり。 可愛い、可愛い なんか心の奥底から 沸き上がるくすぐったさみたいな愛しい、みたいな。 …抱きたい、みたいな。 .
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