僕の苦しみは 亮P

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大好きなおじいちゃんが死んだ。 今日の葬式だって 行くの拒んだのに無理やり小学校の制服を着せられ ここへ連れてこられたんだ。 おじいちゃん家がある大阪まで 車の中でも考えてた。 おじいちゃんはまだ死んでなんかいない。 心のどっかでそう思ってたかったのに… どっかの奇妙な話みたいに 写真の中のおじいちゃんが笑うわけでもなく 棺の中のおじいちゃんが生き返るわけでもなく 葬式は淡々と過ぎてった。 お寺の外では お母さんが忙しそうに 親戚を回って話したりしている。 縁側に座ってそれを眺めていた。 涙はとっくに枯れている 3日前から泣き続けたもん。 「なにぼーっとしとんねん」 「え…?」 頭上から聞こえた関西弁に びっくりして顔を上げた。 …あ、この人 写真では何回も見たことがある。 俺が小さいころは良く おじいちゃん家へ行くたびに 一緒に遊んでいたらしい。 このタレ目の男の子… 「りょう、覚えとるか? 俺のこと」 「ん…ちょっと」 「なんやちょっとって」 苦笑いで俺の隣に座った。 亮くん、本当にちょっと思い出した。 1つ上の中学1年生だったっけ もう1度ちゃんと亮くんを見たら 自分の記憶の亮くんよりも ずっと大人びていて驚いた。 .
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