雨の日は AK

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「かず」 「ん?」 「暇」 「俺も暇」 先生もずっと黒板と授業だし 皆寝てるか喋ってるかで ポケット探ったら あ、アメがあった。 「…なに、その手」 「ちょーだい」 満面の笑み、ずるい。 俺も舐めたかったけど 俺より少し大きな手にいちごみるくを乗せてやった。 「甘い」 「いちごみるくだもん」 仁に相づち打ちながら 将来絶対使うことなんてない 公式をノートに写す。 普段因数分解なんかしないでしょ。 そんなのわかってるのに 今は受験生だからって勉強しなきゃいけないのが嫌で仕方ない。 この雨といい、勉強といい まったく、テンションが下がる。 あー、雨とかアメとかさぶっ。 まるで隣のクラスの田口みたいだ。 なんて1人でつまんないことを考えた。 (これも雨のせい) 「かず? アメなめたい?」 「ん?仁持ってるの?」 「うん、こっち向いて」 シャーペンを置いて 仁の方を見た、その瞬間 後頭部をぎゅっと掴まれ 鼻をかすめるいちごみるくの甘い香りが キスと混ざって 余計に甘く感じさせた。 唇が離されると もう小さくなったいちごみるくが口内に転がる。 …一瞬の出来事 幸い、一番後ろの窓際の席で 先生も誰も見ていなかったみたいだけど 「…バカか」 「俺バカだもーん」 なんたって仁とのキスなんて まだ2回目だぜ? なのに、まさか授業中にこんな形でされるなんて… バカだ、仁は本当にバカだ。 (でもそんな仁が好きな俺も 相当なバカだね) 「甘いね、これ」 「かずのが甘かった」 「…なに言ってんだよ」 唇を舐めるとよみがえるあの甘さ。 仁の方が甘かったし。 なんてこんなバカみたいなこと 思っちゃうのも雨のせいか。 でも、たまにはこう言うのも悪くないかも。 素直じゃない俺に雨の力で 今日は相合傘でもして帰ろうか。 END ――――――――― 最後ばかばか\(^O^)/← あーもう現役だからかな 中3設定好きだ(*´д`*)w 実際、雨の金曜日の6時間目 に思い付いた。
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