雨の日は AK

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でも、やっぱり 授業は暇なんだ。 しかもまた雨降ってきたし。 …うん、絶対違う 俺は晴れ男だ。 「かずー」 こういうとこマメだから ちゃんと真面目にノート取ってるんだよなぁ。 かずの横顔を見てるのも 好きだけど、俺はやっぱ超暇。 「なに?」 「遊ぼ」 「無理ー」 あっさり断られた、当たり前だけど。 でもさー このまま勉強ばっかして 高校に行くなんて寂しいよな? 「散歩、しようぜ」 「はぁ?! おま、こんな雨だぞ?」 「知ってる!」 授業が終わったら かずを連れ出そう。 最近真面目にやってんだよ ちょっとくらい遊んでも平気! 「かず、早く!早く!」 「なんだよっ、さみいし!」 「良いから後ろ乗れって! 学校なんかよりも楽しいとこ 連れてってやる!」 どしゃ降りの中 チャリンコの後ろにかずを乗せて横切るぐしゃぐしゃのグラウンド。 「うぉらぁぁぁあ――!!」 「きゃぁ―――!!! 待って待って!仁速い!!」 嫌なことも全部全部流して 雨のち曇り、のち晴れ。 たまには息抜きも必要だろ? 雨で前が見えなくなっても 人気(ヒトケ)の無い道路を全速力で走るのは快感だ。 このままかずと一緒が良い。 これが俺の中学最後の思い出 …なんてね。 「かずー頭痛い」 「…俺も」 「お前ら話聞いてんのか!!」 「聞いてるっつーの 話なげーんだよカス」 「ちょ、仁;」 「なっ…! 赤西、お前は反省文書け!」 二人して風邪ひいたのも 先生に怒られたのも きっと良い思い出になるよな。 …俺は 思い出だけじゃなくて この先もずっとかずと一緒に いたいけど、ね。 END ――――――――― 卒業にむけ複雑な心境の 赤西くん、っていう/(^O^)\
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