花言葉 AK

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「こら!赤西くん! 球根お手玉にしないの」 「はーい」 学級活動の時間を使って 僕たちのクラスでは、このヒヤシンスを育てることになった。 隣では赤西君が 僕の球根と2つ合わせて お手玉してたところを先生に叱られてる。 僕の目線よりちょっと 高い位置にある顔を見上げると おどけたように笑って 球根が返された。 ちなみに今日ヒヤシンスを植える隣の花壇には チューリップが埋まってるんだ。 ま、花を咲かすまで まだまだらしいんだけどね。 「俺これうまいっしょ?」 「うん、上手 でも、早く埋めないとまた怒られちゃうよ?」 「そーだな。笑」 笑って土を掘り始めて 赤西君はその隣のたっちゃんと 土掛け合ったりして。 結局怒られてたけど 赤西君はぽつん、と口を開いた。 「亀梨、この花の ヒヤシンスの花言葉知ってる?」 「花言葉? ううん、知らない」 手の土をはらって赤西君を見上げた。 赤西君はまだ球根植えるのに 苦戦してるみたい。 「んっしょ… 花言葉はね 悲しみを超えた愛、だって」 「悲しみを超えた愛…?」 「そう、昔々の話ね ヒヤシンスの名前って とある美少年から由来してるんだって なんつったっけ、ヒア…ヒアなんとか」 「ヒアなんとか?笑」 「ま、名前は 和也くんとしよう」 「ぼくっ?」 「美少年の和也君 そして、医学の神の…赤西君 がいたの」 「ふふっ、それで?笑」 僕はやっと球根を植え終わった 赤西君を急かした。 .
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