学園天国 AK

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「じんっ、聞いて! ひどいんだよ~やまぴぃ先生ったら」 「違うよ、俺は悪くないの! 可愛い可愛いかめのために…」 「じゃあ、このプリント 無くしてくれる?(うるうる)」 「う…」 「あー!先生! 騙されないで!! かず、プリントはちゃんとやるの」 「ぶー」 「…可愛いけどだめ」 可愛い可愛い恋人と 一緒に帰ろうと思って 特進の校舎から体育科の校舎へ かずのお迎え。 教室のドアを開けた瞬間 かずはプリントの束を抱えて 泣きついてきた。 その後ろには、困ったような顔のやまぴぃ先生こと うちの学校の王子的存在の 英語教師がいて。 あぁ、そう言えば この間の、定期テスト… 二人の雰囲気で 俺はなんとなーく、その プリントの束の理由を悟った。 かずの頭はちょこーっと いや、かなーり弱いから テストが赤点祭りだったのは聞いてたけど。 「かめ、国語の補習も 社会の補習も全部バックレた でしょ」 「えっ?! お前、ちゃんと出てるっつったじゃんか」 「…だって、だって 勉強なんかしないで仁と 遊びたかったんだもん」 そう言って、あひる口。 可愛いから俺に嘘をついてた 事にすら怒れなかったけど …だめだめ! 今回は騙されちゃ。 文武両道、うちの学校の 校訓でもあるけど これは進級がかかってる かずのためでもあるんだ。 そう、ここは心を鬼にして。 「補習はちゃんと出なきゃだめだろ プリントもやるの」 「…や」 「かぁず?」 「やー! 勉強なんかしないー!」 う、早くも だだをこねるかずに 心の鬼さんが退散しそうです…。 .
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