ラブポーション AN

3/4

1042人が本棚に入れています
本棚に追加
/163ページ
「ちょーだい」 「ん」 隣にぼふって音を立てて座って ペットボトルの残りの水は あっという間に全部無くなった。 「髪、伸びてきたんじゃねーの?」 「あ、うん…って いてて!引っ張りすぎだよ!」 「ひゃはははは」 「…笑いすぎ」 「んん、でも なんか新鮮じゃね?」 「あー、まぁ これくらいの長さなんて 無かったしな」 「うん、可愛い」 …こいつ、よくこんな真顔で 可愛いなんて言えるよな。 すぐに目線を反らしてしまって 逆にそんな自分が恥ずかしくなった。 俺の性格を知っててそれなんだからタチが悪い。 (…でも、かっこいいんだよな) 「照れた?」 「…照れたわ」 「あはは、中丸やたらと こう言うとき素直だよね」 「お前は素直すぎんの」 「だって可愛いと思ったんだもん」 俺って、そんな可愛いとか そういうキャラじゃなくね? うん、可愛い中丸は 俺の前だけで良いのー パァッ、と窓の外の真っ暗な 夜空には似つかわしくないほど 明るい笑顔で また顔を反らそうとしたら ガッチリ右手で確保された。 「…んふふ」 「笑ってねーでなんとかしろ」 「だって中丸がずっと 俺のこと見てるから」 「見させてんだろ」 眉間にシワをよせると 口悪い、不機嫌に言われて そのまま唇を奪われる。 こればっかりは 何回されても慣れなくて 何回されてもとろけそうなくらい甘くて。 …でもこれは、きっと 相手が赤西だから。 雰囲気に酔いつつこんなことを 考えて、俺はてっきりこのまま 二回戦突入かと思ってたら 唇を離して、今日はもう寝よ って。 「…ん? それともまだヤりたい?」 「いや、寝る」 「だよな、だって 中丸おじいちゃんだし」 「ちげぇしっ!」 .
/163ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1042人が本棚に入れています
本棚に追加