いやよいやよも RU

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嫌よ嫌よも 好きのうちっていうじゃん。 「錦戸のバーカ」 「上田のあほ、ぶさいく」 「…知ってるし、カス」 「なんやと?!」 「掘り深いくせに 人類の進化の途中かお前!」 「おまっ、ちょっと待てや!!!!」 こわいよー! 後ろからはちきゅーさんが 追いかけてくるー!! 「あ、やべ…!」 必死に錦戸から逃げて 階段を上がったところで 目の前が開かない屋上の扉だと 気付いた瞬間 ガシッ って効果音がしそうなくらい 強く後ろから 両肩をつかまれた。 …あーあ、つかまっちゃった。 「上田くん、なにが気に入らんのですか 彼氏に対して人類の進化の途中はないでしょう」 「…ごめんなさい 言い過ぎました」 錦戸は転校生である、 今年の4月に大阪から来た。 そして俺たちは カップルである、何故か。 「てか、彼氏って…」 「笑うな、俺らはな 付き合うてんねんぞ」 「知ってる」 「じゃあなんですかこの扱い 付き合う前より酷いですよね」 何故かっつうか まぁ、俺に告白してきた錦戸は すごいかっこよかったから。 でも今もかっこいいよ 目も合わせられないくらい ちゃんと話せないくらいに。 「錦戸くんが」 「あん?」 「かっこいいからです」 「…棒読みやぞ」 「本気で」 その証拠に目が見れません。 「ほら、嫌よ嫌よも」 「好きのうちって?」 「それ」 「…お前、それ言えばいいってもんとちゃうぞ」 「ぐふふ」 くるっと向きを変えた錦戸の耳は いつもより赤い気がした。 無言で差し出してくれる手が好き。 強く引っ張ってくれる腕が好き。 全ては愛情の裏返しなの。 「チャリ乗せて」 「嫌じゃ」 「インド顔」 「…殴るでほんま、ほら」 「わーい」 なんだかんだ言いながら チャリに乗せてくれる 錦戸が好き。 錦戸の腰に巻く腕の力を強めて 背中に顔をくっつけて お前そんな引っ付くなや 眠いのー 頬に当たる風は少し冷たい。 それでも、もう少しだけ こうしていたい。 家までの道は少し切なかった。 END ――――――――― 強制終了(^O^)/ 勢いでりょたちゅ
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