1章【地上に神が存在する世界】

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『いやホント、マジでお前どうしたんだよ?いきなり俺たちの前から消えて……えっと、何日経った?』 「何日かは分かんねーけど、結構経ってるよな」 『ホント。ホントそうだろ?』 「まあ、コッチにも色々とあるんですよ。うん、色々って言うけど24色セットの色鉛筆なんてもんじゃないよ? 何千色もの色鉛筆だ。それくらい色々あるんだな」  何という表現力。隼人は自分の言葉に酔わずには居られなかった。どうよ? と言わんばかりに顔がにやつく。メールだったら間違いなく『シャキーン』の顔文字を打っていただろう。 『……何言ってんだ、お前』 「何言ってるんでしょうね」 『そんなつまらんことはどうでも良いんだよ』 「……どうでも良いとか言うな」  隼人は一瞬で、メールで『ショボーン』の顔文字を打ちたい気持ちになった。 『はあ、またこうやっていつもみたいに話をはぐらかすんだもんなぁ』 「別にはぐらかすとか、そんな気は全然ありません」  隼人は夜の空に目をやると、右手を挙げ、『何か』に合図をするかのような不思議な手の動きを見せた。 『じゃあ言えよ。今すぐ言え』  これはしつこい流れになると察知した隼人。 「あー、また今度な。そんじゃ、そろそろ切るわ」  そう言って携帯電話を耳から離そうとすると、拓人が慌てて止めに入った。
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