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「近衛岬、わが校の二年生で、陸上部所属、種目は100M走、スポーツ推薦で入ってきた子らしくて、その実力はかなりのものらしい。その可愛らしい容姿とやや天然な性格で、男どもには、かなりの人気らしい」
放課後、俺はいつもの屋上で田中とたむろっていた
田中というのは俺の親友で、一年生の頃から三年間同じクラスだったこともあり、ずっとつるんできた
そして、今聞いた情報の出所は、その田中である
「よく知ってるな・・」
いつものことだが、こいつの情報網には驚かされる
俺は今さっき昨日あったことを田中に話したのだが、近衛岬の名前を出した瞬間、かなりの量の情報を俺に与えてくれた
「当然よ!この学校の女子のことなら、大体この頭に入ってんのよ!」
その記憶力を、少しでも他の事にまわせば・・と思っているのは俺だけではないだろう
「それにしても、お前が女にチョコレートもらうなんてなぁ。さすがの俺も予想してなかったよ」
「・・・まぁな」
正直俺も予想してなかった
それだけに戸惑っている
自分のなかでは結論はある程度出ているものの、あまりに唐突だったものだから、落ち着いてはいられなかった
だから、こうして田中に相談しているわけなのだが
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