1章:秋桜

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「初めまして。高宮(タカミヤ) 椎奈です。えっと時旅さん?」 窓の外を見ていた顔がこちらに向いた。 髪の色にも負けないほど深い黒目。 「名字で呼ばれるの好きじゃないから未莉でいいよ。敬語も止めて」 初めて聞いたその声は、大人びた姿にぴったりなぐらい凛としていた。 「あっ・・・・・・ごめん。なんか未莉ちゃん、大人っぽくて」 「・・・・・・そんなことないよ」 そういうと、そっぽを向いてしまった。 反応が遅かった気もするけど、気のせいだよね? それよりも・・・・・・ せっかく隣の席になったんだし、未莉ちゃんともっと仲良くなりたい!! 小学校卒業まで後1年。 未莉ちゃんにはクラスの一員として楽しく過ごして欲しいもん!!
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