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海が見えるとある町。
その町を一望できる木の上に立ち町を見下ろしている少女がいた。
歳は14歳ぐらい。
黒のブレザーに黒のスカート・黒のソックス。
どんな黒にも染まらない漆黒の髪。
その長い髪を1つに結っている白い髪紐が自らを主張するように靡(なび)いていた。
『未莉(ミリ)』
突然、その場に響いたのは男性の声だった。
しかし、その場には少女しかいない。
少女は声に驚くこともなく、右耳についたイヤリングを指で触る。
「はい。結城(ユウキ)さん」
無線機にでもなっているのだろう。
未莉と呼ばれた少女は男性―結城―の呼び掛けに答える。
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