1章:秋桜

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海が見えるとある町。 その町を一望できる木の上に立ち町を見下ろしている少女がいた。 歳は14歳ぐらい。 黒のブレザーに黒のスカート・黒のソックス。 どんな黒にも染まらない漆黒の髪。 その長い髪を1つに結っている白い髪紐が自らを主張するように靡(なび)いていた。 『未莉(ミリ)』 突然、その場に響いたのは男性の声だった。 しかし、その場には少女しかいない。 少女は声に驚くこともなく、右耳についたイヤリングを指で触る。 「はい。結城(ユウキ)さん」 無線機にでもなっているのだろう。 未莉と呼ばれた少女は男性―結城―の呼び掛けに答える。
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