17人が本棚に入れています
本棚に追加
『指令書は届いたか?』
「はい」
未莉はイヤリングから指を離すと、1枚の紙を取り出した。
『指令書を見てくれればわかると思うが、今回の任務は記憶の均衡が崩れた人――時の放浪者――の対処だ』
指令書に目を落とす。
そこにはある少女の顔写真・名前などの情報が事細かく記されていた。
黙ったままの未莉に結城が声をかける。
『いけるか?』
「もちろんです」
では頼んだ。
そう言葉を残して無線は切れた。
未莉はもう1度町を見下ろす。
次の瞬間、その場には誰もいなかった。
――――――――――
―――――――――
――――――――
最初のコメントを投稿しよう!