1章:秋桜

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『指令書は届いたか?』 「はい」 未莉はイヤリングから指を離すと、1枚の紙を取り出した。 『指令書を見てくれればわかると思うが、今回の任務は記憶の均衡が崩れた人――時の放浪者――の対処だ』 指令書に目を落とす。 そこにはある少女の顔写真・名前などの情報が事細かく記されていた。 黙ったままの未莉に結城が声をかける。 『いけるか?』 「もちろんです」 では頼んだ。 そう言葉を残して無線は切れた。 未莉はもう1度町を見下ろす。 次の瞬間、その場には誰もいなかった。 ―――――――――― ――――――――― ――――――――
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