銀色のマダオ

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血の匂い。 転がる屍。 …空に響く、断末魔の叫び。 だけど目に映るのは 大事な大事なー… 弟「…姉さん、姉さん!」 「…おはよ」 弟「おはようじゃないよ!姉さんまた余計にお酒呑んで寝ちゃったんだよ。もう、いつも言ってるでしょ、お酒はほどほどにって」 「へいへーい」 「ちょ、聞いてる!?」 「聞いてる聞いてる~あ、もうこんな時間。姉さんお仕事いってきまあす」 弟「ちょ、棒読みもいいとこだからね姉さん!?」 すっかり主婦化した弟を軽くあしらい見送ってもらう。 「…あ、そうだ。イイ男いたら紹介して」 弟「悪ふざけもいい加減にして仕事いってきなさい!」 ったく、オメーはあたしの嫁かお母さんかコノヤロー。 でも、こんな風に話せる幸せっていいかもしれない。 今日までは、そう思っていた。 アイツに出会うまで。 *
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