銀色のマダオ

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「猿飛先輩…いや、さっちゃん先輩。今日の任務は」 さ「銀さんのストーカーよ」 「…またですか?あたしはどうすれば…」 さ「私と一緒にストーカ」 「雑任務行ってきまーす」 勘弁してくれストーカーなんて。 さ「ちょ!まだ私言い終わってな…っていない。……全く、あの子はとことん純粋なんだから。…でもSの才能あるわね。放置プレイにちょっとときめいちゃったじゃないのォ!銀さん!銀さァァン!!」 さっちゃん先輩を見ると、あたしは何なんだと思う。 同じ殺し屋なのに、ちゃんと女のひとで、恋(ストーカーかもだけど)してて。 「…って、何妬んでんだ、馬鹿」 尊敬する先輩に妬む醜い自分に嫌気がさす。 「…いっそ女、辞めてェな…なんて」 あたしには守るものがある。 守る力があればいい。 …でも、恋もしてみたいなんて。 「はっ……どんだけ贅沢」 下らない欲望を払うために、仕事に徹することにした。 「…えーっと。ジャガイモ、にんじん…こんなもんか」 “今日はカレーだからね!お酒呑まないでよ?” 頭に浮かぶのは愛しい弟の顔。 今の幸せを噛みしめるには、充分すぎて。 「クスクス…分かってますって」 思わず笑いが込みあがる。 銀「…あ、こないだの」 「…はい?」 *
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