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しかも足を見ると、擦り傷、切り傷、打撲、いや見てられん。
「仲村さん。膝をこの子に貸してあげてくれないかい。僕はハンカチ濡らしてくるから。」
小野寺は、水飲み場まで走って行った。
『仲村翔子』は言われた通りに女の子に膝を貸していた。
「ねぇ、四方くんだっけ。この子天国から追い出されちゃったのかしら?」
悲しい顔で突然言われたことに、俺は拍子抜けした。
「そうかもね。人は見かけに寄らないって言うしね。」
そう言って首にかけてた、赤いチェックのアフガンストールを“天使”の首にそっとかけてやった。
「これから、どうなるのかしら。」
警察とかに引き渡したら、この子の為にならないかもしれない。
(放射性科学物質が飛散してる可能性が………………)
放送が鳴り響く。
「う………うぅ……」
“天使”が目を覚ました。
「気がついたかしら?」
彼女が優しく声をかける。
「………!!」
突然“天使”に恐怖の色が露わになる。
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