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…………いつからだろうか。
俺が、“世間”に気を遣い。“友達”には八方美人で。“家族”にも、仮面を被り。
そして、『自分』すらも騙していたのは………。
そうか。だから今、こうして“血だらけ”なのか。全く僕というヤツは昔から理由を見つけなければ、自然と動けない……イヤ「動かない」かな。まぁそんな『糞』なヤツだったから。それに、お誂え向きだな。
今は、深夜2時ぐらいだろうか?…………腕が動かない。目が霞む。後少しの命か……。
そんなことを考えいた僕の視界を埋め尽くしたのは、眩い、眩い『光』だった。
『光』は空から俺の辺りにだけ降り注ぎ、まるでそれは…………。
「天使でも、見えたかい?」
セクシーな女の人の声だ。
「天使じゃないなら、悪魔かい?」
“命”を振り絞った精一杯のジョーク。こんな深夜に“光”が見えるはずがない。それに加えての幻聴。俺もいよいよか。
「話が早いわね、坊や。そういうの好きよ。」
顔が見えないのが残念だ。もう視界がぼやける。
「“契約”お願い出来るかしら?」
見えはしなかったが、ニッコリと笑ってる気がした。
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