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「砂糖とミルク一さじ分入れて貰える?」
俺は、砂糖のブロック一つとミルクを一つ開けて入れた。
「お嬢様、出来ましたよ。」
コーヒーを手渡す。彼女は目線を街からそらさずに受け取ると一口飲んだ。
俺も一口、犬のペイントがされてるカップの中のブラックコーヒーを流し込む。
「汚い街ね…。四方くん、ミルクと砂糖入れすぎよ。」
汚い街と評価しながら、それでも目線を放さない。
「当店自慢のインスタントコーヒーいかがでしたか?」
俺も街を見ながら言う。
「不味い味だわ……。二度と来ない。」
そういってまた一口飲み始めた。
「そりゃあ、どうも。汚い街と不味いコーヒーのコンビネーションは如何でしたかな?」
調子に乗って言ってみた。
「びっくりするほど合うわね……。」
そう言って、空っぽのカップを手渡すと彼女は定位置に座りこんだ。
「また、嫌なことでも思い出したか?」
「知らない、さっさと学校行きなさい。」
そう言って天使を持ち上げロフトに寝かせ毛布を掛けて、自分は壁寄って毛布を掛けて寝る積もりらしい。
小野寺もぐっすりと寝ている。
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