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「でも?」小野寺は首を傾げる。
本当に悪いと思うけど俺の“付属品”なんだ懺悔した相手を間違えた。今日は厄日だと諦めてくれ。そう思い立ち上がって口を開いた。
「それでも、俺は君が悪いと思うよ。」
あぁ、言っちまったよと後悔していたが小野寺は予想外のことを口にした。
「ありがとう。本当のことを言ってくれて。」
気づけば、眼鏡を外して普通より茶色の瞳を露わにした。
「本当はこんなこと言いたくないんだよ。」いや真面目に。
「それなら尚更感謝しなければならないね」と言ってニッコリと笑った。
この“goodsmile”で数々の女を落としてきたに違いない。そう思った時。
ガサガサ…………。
ベンチの後ろの草や枝や小さい木がまとまった所から音がした。
「猫かな?」笑みを絶やさず小野寺が茂みに近づいた。
ドサッ!!
倒れ込んだ音がした。
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