第1章 Mischief of fate(運命のいたずら)

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ケータイのアラーム音で、香保里は目を覚ました。 目に飛び込んできた天井の白が、病院のそれに見えて一瞬息が止まりそうになる。 ゆっくり起き上がると、大量の汗で体が濡れていた。 ―何て、イヤな夢… 香保里はベッドからそっと出ると、タンスの下の引出しから着替えを出した。 「大丈夫?」 隣で寝ていた夫・真道が声をかけた。 「あ、ゴメン。起こしちゃった?」 「イヤ、君が起きる前から目は覚めてた」 そう言って起き上がると、真道はベッドの上で大きく伸びをした。 「それより、大丈夫?ずいぶんうなされてたけど…」 「…うん、大丈夫…。ちょっと、夢見が悪くて」 真道が香保里の額に手を当てる。 「…ん。特に熱はなさそうだね」 香保里は笑った。 「だから大丈夫だって。シャワーを浴びて着替えたら、ゴハンの支度するね。真道くんはもう一眠りしたら?」 しかし真道は、ベッドサイドに置いてあったメガネをかけると、ベッドから降りた。 「いや、今日は早出だからもう起きるよ」 そう言うと、香保里をぐいと抱き寄せた。 「おはよ、奥さん」 「ふふ…。もう…おはよ、ダンナさま」 2人は軽く、キスをした。
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