107人が本棚に入れています
本棚に追加
/233ページ
「さ、優月ちゃんを起こして来るよ」
真道は二階へ上がって行った。
念願のマイホームに引っ越して来たのが、ちょうど1ヶ月前。一人娘の優月は、自分の部屋がもらえたのがよっぽどうれしいらしく、最近は夜更かししてマンガばかり読んでいる。
「いい加減、キツくしからなきゃ…」
香保里が呟いた時、2人分の足音がして、真道と優月がリビングに入って来た。
「おはよー、お母さん」
「今日はちゃんと起きてたよ」
「………。」
香保里はグッと言葉を飲み込んだ。その様子を見た優月は、
「怒ろうと思ったのに、出来なかったって感じだよね、お父さん」
「そうだね」
2人が笑った。香保里はプイと横を向いた。
最初のコメントを投稿しよう!