第1章 Mischief of fate(運命のいたずら)

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「さ、優月ちゃんを起こして来るよ」 真道は二階へ上がって行った。 念願のマイホームに引っ越して来たのが、ちょうど1ヶ月前。一人娘の優月は、自分の部屋がもらえたのがよっぽどうれしいらしく、最近は夜更かししてマンガばかり読んでいる。 「いい加減、キツくしからなきゃ…」 香保里が呟いた時、2人分の足音がして、真道と優月がリビングに入って来た。 「おはよー、お母さん」 「今日はちゃんと起きてたよ」 「………。」 香保里はグッと言葉を飲み込んだ。その様子を見た優月は、 「怒ろうと思ったのに、出来なかったって感じだよね、お父さん」 「そうだね」 2人が笑った。香保里はプイと横を向いた。
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