第3章

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結婚といっても誰もそんなものは認めていないのだから、一緒に住むなんて絶対に許さないと… 二人の真ん中で困り果てる深雪を救ったのは、以外にも美里だった。 「私の…私の部屋に来れば?」 その一言に誰もが驚かされた。 が、結局、深雪は美里の部屋に移り住むことに決まった。 美里にしてみれば、家を出て二人で暮らすとまで言い張る亨を黙らせるにはこうするしかなかったのである。 もしそんなことをされたら、自分に残されているかもしれないほんの僅かな “亨との結婚への夢”が完全に消えてしまう それだけはなんとしても防がなければならない。 そう考えての美里の判断だった。
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