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亨がバス停に着きバスを待っていると後ろから声をかけられた。
「あの…」
振り向くとそこには信也の妹が立っていた。
「私、木下信也の妹で、沙織といいます。先程は兄がすみませんでした。きっと悪気は無かったんだと思います」
<この人は事件の事を知らないのだろうか?>
亨が不思議に思いながら事件のことについて尋ねると、沙織はためらいがちにこう答えた。
「その事は兄から聞きました。でも、せっかく謝りに来てくれたのにあんな言い方…」
「いえ、自分の方こそご家族方のお気持ちも考えずに突然お邪魔してしまって…」
亨がそこまで言った時、ちょうどバスが来て亨は沙織に向かって深く頭を下げるとバスに乗り込んだ。
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