第3章

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一方、深雪は窮地(きゅうち)を脱しかけていた。 亨失踪の事情を知った真太郎が自分の店をほっぽり出して手を貸してくれたのである。 だが、それでも道は険しい。 深雪は荷台に弁当を山積みにした自転車の重いペダルを漕ぎ続けた。 それにしても亨はどこへ消えてしまったのだろう…。 亨が家に戻ったのはすでに夕方近くだった。 結局、深雪は大仕事をこなすことが出来ずに、大輔から大目玉を食らっていた。 当然、その話は久美子に伝わり、深雪は以前にも増して苦境に立ってしまった。 全てとは言わないが少なくても半分は亨に責任があると深雪は腹を立てていた。
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