第3章
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思わず息をのむ美里に亨はひと言だけ 「理由は言えない」と短く言い添えた。 沙織の治療費だなどと言える筈もない。 たとえ深雪や真太郎にだって…。 「分ったわ。アルバイトの事、聞いてみる」 「ありがとう…。美里ちゃん、この事は」 「うん。大丈夫よ、誰にも言わない」 美里は亨と二人だけの秘密を共有した事に喜びを感じていた。 ドアの向こう側で深雪が偶然立ち聞きしていたなんて知るよしもなかった。
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