第1章

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メモに記された番地を探していくと被害者の家はすぐに見つかった。 意を決し、門の中へと入り呼び鈴を鳴らすと中から女性の声がして扉が開けられた。 「突然お邪魔して申し訳ございません。加藤亨と申しますが、木下信也さんはご在宅でしょうか?」 女性はその場で 「おにいちゃんお客さんだよ!」と大きな声を出した。 <お兄ちゃんという事はこの人は信也さんの妹か… 信也さんが俺と同じ年だったはずだから、妹さんはきっと深雪と同じくらい…> 「なんだ!大きな声を出してみっともない」 そういいながら出てきた男は亨の姿を見て表情をこわばららせた。 <この人が信也さん…> 中から出てきた信也は亨よりも背が高く、ゆうに180cmはあるだろう。 厳つい(いかつい)顔立ちをしていて体格もよかった。
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