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慰めてあげると、彼女はそう言った。
女々しく弱音を吐く俺を見ていられなくて手をのばした結果、自分を傷つけてしまったんだ。
事の根源は俺のせいだ。
「あっ…小野寺く、っじゃなくて…旭くん」
彼女の声が夜空に響いた。
「なっ、なに?」
「あの……また、会ってくれる…?」
「えっ!?」
それは、まさかの一言だった。
「あ、うん…もちろん…」
きっと今の俺は、目をぱちくりさせて間抜けな顔をしてるんだろう。
「そう、良かった…」
ホッと息を吐いた彼女は、そのまま家の方へと消えていった。
その小さな後ろ姿を見て、なんだか俺もホッとした。
良かった、また会える。
第一に俺はそう思ったんだ。
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