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こんな関係がイケない事くらい分かってるのに、俺は彼女の体を貪るように求め、甘い余韻に体を癒しながら、彼女の優しさに溺れる。
こんな居心地の良すぎる環境に慣れはじめた身体は、駄目だ駄目だと思いながらも、彼女の熱を求めてしまう。
―ピンポーン
チャイムの音でふいに意識が戻った。
思考を中断させ、起き上がって伸びを一つして玄関へと向かった。
「早かったね。入って」
「うん、おじゃまします」
訪問者はやっぱり沙奈だった。
彼女は美大に通っているからか、学校帰りにはいつも沢山のノートが入ったトートバッグを抱えている。
なんだか日に日に彼女が綺麗になっていく気がする。それは俺が彼女を「女」として意識しているからかも知れない。
「沙奈、脱いで」
彼女のコップに注がれたオレンジジュースが無くなる頃に、俺はそう言った。
彼女は驚いた表情を見せた。
「脱いで」
「だって、まだ明るいし…」
沙奈は恥ずかしそうに目を伏せた。その言葉でカーテンを引いたけど、窓から差し込む夕日の赤い光りはカーテンの縫い目を通って部屋を充分に明るくする。
俺が肩をすくめてみせると、彼女は諦めた風なため息を吐いた。
「立って、ちゃんと脱ぐとこ見せて」
「…悪趣味」
ベッドの上に座る俺から、1メートルほど離れた所に沙奈が立った。
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