想紅

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上空は真っ赤な茜空、雲はピンクに染まり愛らしく空に浮かんでいる。 二月の寒空の下、私は手に息を吹き掛けてブルリと身を震わせた。その時、コートのポケットの中で携帯電話が鳴り響いた。 着信メール 02/24 18:23 小野寺 旭 30分にはつく!!もう少し待ってて! 画面に目を走らせて、再び携帯をポケットにしまった。 「寒いなぁ…」 空に向かって白い息を吐き、もう一度体を震えさせ、もうすぐ現れるであろう待ち人を思い浮かべた。 小野寺 旭、学校は違うけれど私と同じ大学3年生。一言で表せば太陽みたいな人。良い意味では、おおらかで優しく明るい。悪い意味では、八方美人のお調子者。 全てにおいて積極的な彼は、人付合いが苦手で無口な私にはとても眩しい人だった。
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