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スベスベの頬に残った涙の軌跡を指でなぞると、彼ははっと顔を上げて私を見つめた。
少しの間の沈黙の後、濃厚に流れる空気の中私は少し身を乗り出して、彼の唇に自分の唇を重ねた。
「…静木?」
訳が分からない、そんな顔で彼は私の名前を呟いた。
「失恋の痛みって、言葉だけの慰めじゃ足りないでしょ?」
「お前、何言って…」
抗議の言葉なんて聞きたくない。
彼が口を開けば、言葉を遮るために啄むようなキスを繰り返す。口を開かせて口内に舌を侵入させて唾液と一緒に狭い口内で逃げ惑う彼の舌を絡めながら、胸元に手をついてゆっくりと彼の体を押し倒していった。
徐々に唇を滑らせて、頬から顎、顎から耳、耳から首筋へと舌を移動させて、柔らかい肌を強く吸い上げると、そこに鬱血した赤い花が咲いた。
「ん……!静木っ…ダメだ!」
私の体を退けようと、彼は力を込めて私の肩を掴んだ。
「どうして?何が駄目なの?」
やんわりと彼の腕を解いて、着ていたシャツを下から捲くり上げる。あらわになった彼の胸元に唇を寄せた。
「俺、こんな事、頼んでないっ」
「…私がしたいの。いいから黙ってて」
「静木!!」
胸の愛撫を執拗に繰り返しながら、ちらりと彼の顔を見ると、高揚した頬に困惑が見え隠れした。けど、どんなに否定されてもやめる気なんてない。
すっかり反応を見せて、窮屈そうにジーパンを盛り上げるそこを、そっと手で撫でた。
「っ静木!…やめっ……」
また抵抗する彼に深い口付けを落として、ベルトを緩めジーパンと下着を脱がせた。
単調なテンポで手をグラインドさせ、彼が刺激に慣れた頃を見計らって今度は勃起したモノを口に含む。
意地らしい小野寺君の小さな喘ぎ声に喜びを感じながら、筋やくびれた所をたっぷりと舐め上げる。口の端から漏れる、空気や唾液が奏でる卑猥なリズムが聴覚をも犯していった。
「待…て!……ゃ、めっ…ぅぁっっ」
彼の限界を読み取り、私は愛撫する手と口をぱっと離した。
「はぁ、はぁ……静木……」
息を弾ませながら上体を起こそうとする彼を押し倒して、私は素早く自分の下着を脱ぎ、彼の上に馬乗りになって、スカートをたくし上げ、すでに潤いを帯びた蜜部に彼のソレを押し当てた。
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