42人が本棚に入れています
本棚に追加
“大翔(ひろと)くん。大きくなったら私と結婚して!”
“うん、いいよ!”
彼は、そう言って帰って行った。
家族でスキー旅行に来ていた彼に、私は一目惚れした。
その時、私たちは10歳。
それから14年、私は彼が来るのを待っていた。
彼は、私の事を覚えているのだろうか?
約束を覚えているのだろうか?
彼は、どこで何をしてるんだろう。
毎日、そんな事を考えていた。
ただ、彼が他の人と結婚していら……それだけは考えたくなかった。
最近、夢を見る。
少女の夢。
顔は、ぼやけててわからない。
でも、何か大事な事を忘れてる気がする。
俺は何を忘れてるんだろう?
彼女は一体誰なんだろう?
どこにいるのだろう?
そんなことをいつも考えていた。
考えない時の方が少ないくらい。
何度も夢に見るんだからきっと何かあるんだろう。
最初のコメントを投稿しよう!