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ウチは当時OLをしていた。
それプラス、夜の仕事…ホステスも始めた。
下半身の脂肪吸引代、歯の御直し、顎のプロテーゼ。
総額は二百万は下らないだろう。
だから、会社に秘密でバイトを始めた。
★★★
幸い、まだ中途半端なルックスではあったが、客受けは上々。
生まれて初めて買ったデコルテの大きく開いたドレスから覗く、形良いバストにお客さんの視線は釘ズケだった(笑)
寸胴なウエストはウエストニッパーで、だらし無いヒップはガードルで締め付けたウチはまあまあイイ女には見えたのだろう。
中途半端な流さの髪の上にはクリンクリンにカールしたロングのウイッグ。
これで普段は地味なOLをしてるなんて誰も思わないだろう。
ウチは次回の改造計画予想図を頭に描いて、ワクワクしながら仕事をこなしていた。
★★★
会社では…私が整形した、というのはしばし噂になった。
だがしばらくしたら、噂は煙りの様に消えた。
人の噂は七十五日とかいう割に、一ヶ月もなかったのではないだろうか?
ウチは新しい顔に、身体に、あっという間に慣れて、昔からそんなだった様になっていった。
だからかもしれない。
★★★
寧ろ、見た目が良くなってからの方が、仕事でミスしても叱られる回数は減った。
整形サマサマだと、ウチは内心舌を出した。
親も見慣れてしまったのか、何も言わなくなった。
私が自信を持っている姿に、「よかった」と思ってるんだと思っていた。
★★★
ホステスを始めて一年。
19歳になったウチは第二改造計画を実施しようと考えた。
それには理由があった。
同じ水商売で好きな男が出来たのだ。
人生二回目の恋だった。
けれどハードルはメイクイーン・候・中村なんかと違って、かなり高かった。
相手は人気No.1ホストだったのだ。
こんな中途半端なルックスでは他の女の子には到底勝てん。
ウチは気合いを入れた。
★★★
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