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「真奈ちゃん。指名。…例の爺来たで。」
カーテンを開けて、店長・岩ちゃんが覗き込む。
「例の爺ね…次、指名あるん?」
「山田さんが次だから…一本は入れれるわ?」
「…了解。ほなダブルで交渉するわ。」
「ほんまぁ?頼りになるわぁ、真奈ちゃんサマサマやなぁ。」
★★★
此処は男性大好きな大人の社交場。
どんな場所かは想像に任せる。
私「真奈」は一応看板娘…にはかなりとうが立っているが、一応「娘」。
自称・三十歳も最近は怪しい(笑)
★★★
私はファンデを叩き込み、コンシーラーで隈と染みを隠し、薄紫の唇にピンクのリップを引くと、鏡を見た。
「そろそろまた御直し行かなあかんなぁ…顔にシワ出て来たわぁ…」
「真奈ちゃん。SKⅡは?あれ結構効くでぇ?」
「桃井頑張ってるよなぁ…って、エリカちゃん。とっくの昔にお試し済みやわ。確かに効く。」
「…やろ?」
「けど全体的に弛んできた。」
「そうかぁ?真奈ちゃんは厳しいなぁ?」
会話の相手は同僚・エリカ。
実年齢・四十歳(爆)
店では一応二十八歳(爆死)
最近は岩盤浴行ったり、仲ええ女の子。
勿論、アンチエイジングは二人の日常会話(笑)
私は飲みかけのローズヒップティーをキュッと飲み干す。
「ほな、岩ちゃん。案内してや。」
「オッケー♪今日もベッピンさんやなぁ?」
「当たり前じゃ(笑)顔になんぼ銭かけとると思とんじゃい。」
★★★
私はそう男前に決めた後、
「あぁん、たーさん♪♪♪久々やないのぉ♪♪♪何してはったん???真奈めっちゃ淋しかったわぁ♪♪♪」
と、可愛く品をつくり、今年七十の爺の腕にしがみつき、本日の交渉に入る。
「たーさん♪♪♪今日は帰さないわぁ。ええやろ???あかん???」
しばし話し合った後、向こうの岩ちゃんに指二本だす。
ダブル確定♪♪♪
だって今日は年金の支給日♪♪♪
たーさん、直行やさかい好き♪♪♪
たーさん♪♪♪
長生きしてやぁ♪♪♪
死ぬまで一緒やでぇ♪♪♪
私「真奈」は出来るだけ顔を引き攣らせて笑った。
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