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美容形成外科のカウンセリングの席で、ウチはオイオイと泣きながら「美人にして欲しい!!!」と訴えた。
先生はまあまあと優しくあやしてくれ、何処をどうしたいか、丁寧に聞いてくれた。
取り敢えず…
顔面にへばり付いた様に低い鼻を高くして、ボッテリ不幸感満々な一重の目を二重にして欲しいと言った。
★★★
鼻にはプロテーゼを入れる事にした。
なるだけ高く、と要望したのだが、「あんまり高くすると人形みたいに不自然な顔になるから」と柔らかく却下された。
★★★
目は初めてなので、埋没法。
今で言うところのプチ整形だ。
それもなるだけパッチリ二重になる様にお願いした。
それは聞き入れられた。
★★★
それとウチはもう一つ…胸を大きくしたい、と訴えた。
生理食塩水のバックを入れる事にあっさり決まった。
今でこそ、シリコンは使われるが、当時は発癌性があるとして、危険だったのだ。
★★★
こうして、私の生まれて初めての改造リストは出来上がった。
ローン用紙をサラサラ書きながら、私は躍り出しそうな気持ちだった♪♪♪
★★★
もう、メイクイーン・候・中村とはとっくの昔に別れていたが、あいつを見返せる喜びに、私は手術台の上に横たわりながら、嬉しいばかりだった。
★★★
「親から貰った身体に」???
そんなもん考えてたら、ウチは一生屈辱的な気持ちで生きていかなあかん。
そんなもん、最初から容姿や才能に恵まれたもんの言う台詞じゃ!!!
ウチみたいに容姿ボツ、才能ボツのボツ個性の人間はどーしたらええんじゃ???
ああん???
答えをくれる奴なんかおれへんのにエラソーに言うな!!!
ウチの身体はウチのもんや。
親の持ち物ちゃう。
ウチの自由にして何が悪いんや???
文句言うなら、まともな容姿に産んでくれや!!!
…それがウチの言い分やった。
親は当たり前みたいに反対したが、ウチの言い分を聞いて黙ってしまった。
それくらい、ウチには重要な事やったんや。
どうしてもあかんなら死にたいと思った位。
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