第1章

26/29
前へ
/32ページ
次へ
「そう、そうですね。おっしゃるとおりですわ。でもダンブルドア、どうやってあの子をここに連れてくるんですか?」 ダンブルドアがハリーをマントの下に隠しているとでも思ったのか、マクゴナガル先生はチラリとマントに目をやった。 「ハグリットが連れてくるよ」 「こんな大事なことをハグリットに任せてーあの…賢明なことでしょうか?」 「わしは自分の命でさえハグリットに任せられるよ」 「何もあれの心根がまっすぐじゃないなんて申しませんが」 マクゴナガル先生はしぶしぶ認めた。 「でもご存知のように、うっかりしているでしょう。どうもあれときたらーおや、何かしら?」 低いゴロゴロという音があたりの静けさを破った。二人が通りの端から端まで、車のヘッドライトが見えはしないかと探している間に、音は確実に大きくなってきた。二人が同時に空を見上げた時には、音は爆音になっていた。ー大きなオートバイが空からドーンと降ってきて、二人の前に着陸した。 巨大なオートバイだったが、それにまたがっている男に比べればちっぽけなものだ。男の背丈は普通の二倍、横幅は五倍はある。許しがたいほど大きすぎて、それになんて荒々しいー ボウボウとした黒い髪とひげが、長くモジャモジャと絡まり、ほとんど顔中を覆っている。 手はゴミバケツのふたほど大きく、革ブーツんはいていた足は赤ちゃんイルカぐらいある。筋肉隆々の巨大な腕に、何か毛布にくるまったものを抱えていた。
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加