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そんな絵に描いたように満ち足りたダドリー家にも、たった一つ秘密があった。
なにより怖いのは、誰かにその秘密を嗅ぎつけられることだった。
―あのポッター一家のことが誰かに知られてしまったら一巻の終わりだ。
ポッター夫人はダドリー夫人の実の妹だが、二人はここ数年一度も会ってはいなかった。
それどころか、ダドリー夫人は妹などいないというふりをしていた。なにしろ、妹もそのろくでなしの夫も、ダーズリー家の家風とはまるっきり正反対だったからだ。
―ポッター一家が不意にこのあたりに現れたら、ご近所の人たちがなんと言うか、考えただけでも身の毛がよだつ。
ポッター家にも小さな男の子がいることを、ダーズリー夫妻は知っていたが、ただの一度も会ったことがない。
―そんな子と、うちのダドリーが関わり合いになるなんて…
それもポッター一家を遠ざけている理由の一つだった。
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