第2章

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仰向けになったままで、ハリーは今まで見ていた夢を思い出そうとしていた。いい夢だったのに……。空飛ぶオートバイが出てきたっけ。ハリーは前にも同じ夢を見たような不思議な心地がした。 「まだ起きないのかい?」 おばさんが戸のむこうに戻ってきて、きつい声を出した。 「もうすぐだよ」 「さあ、支度をおし。ベーコンの具合を見ておくれ。焦がしたら承知しないよ。今日はダドリーちゃんのお誕生日なんだから、間違いのないようにしなくちゃ」 ハリーはうめいた。 「何か言った?」 おばさんが戸の外からかみつくように言った。 「なんにも言わないよ。なんにも…」 ダドリーの誕生日ーなんで忘れられようか。ハリーはのろのろと起き上がり、靴下を探した。ベットの下で見つけた靴下の片方にはりついていたクモを引きはがしてから、ハリーは靴下をはいた。クモにはもう慣れっこだ。なにしろ階段下の物置はクモだからだったし、そこがハリーの部屋だったのだから。 服を着ると、ハリーは廊下に出てキッチンに向かった。食卓はダドリーの誕生日のプレゼントの山に埋もれてほとんど見えなかった。欲しがっていた新しいコンピュータもあるようだし、二台目のテレビやレース用自転車ももちろんあった。
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