第1章

5/29
前へ
/32ページ
次へ
窓の外を、大きなふくろうがバタバタと飛び去っていったが、二人とも気がつかなかった。八時半、ダーズリー氏は鞄を持ち、奥さんの頬にちょこっとキスして、それからダドリー坊やにもバイバイのキスをしようとしたが、しそこなった。坊やがかんしゃくを起こして、コーンフレークを皿ごと壁に投げつけている最中だったからだ。 「わんぱく坊主め」 ダーズリー氏は満足げに笑いながら家を出て、自家用車に乗り込み、四番地の路地をバックで出て行った。広い通りを出る前の角のところで、ダーズリー氏は、初めて何かおかしいぞと思った。
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加