プロローグ1

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僕は授業が終わると、コンビニで雑誌を読んでいた。 見出しに引かれたからだ。 『ロボット誘拐事件、身代金2000万‼未だに、消息不明』 まるで我が子のように育てていた富豪のロボットが誘拐された。犯人が要求してきたのは2000万。もちろん、富豪は身代金を払った。だが、ロボットは帰ってきてない。 「夫妻はロボットのことを《マサルちゃん》と呼んでいた……か」 馬鹿げてる。僕は文字の羅列を眺めるふりをしながら、彼が来るのを待った。 僕が彼を見たのは2日前だった。もう一度、彼に会って話をしたいと思い、目撃した時間に張り込みをしている。 ここはコンビニと言っても、サビれている。まさに寂しい。 店員といっても、うたた寝をしている老婆がいるだけ。起きてるのか死んでるのか、レジで商法取引するまで分からない。
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