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「余命3ヶ月」
主治医の発した言葉はとても冷たく思えた。
「そんな。優はまだ12才
ですよ?」
優莉の目からは涙が溢れていた。
「優ちゃんの心臓はもう限界まで来ています。これ以上は無理でしょう。」
「優は、優は・・・。」
優莉は椅子から落ちかけた。
「お母様、落ち着いてください。余命を宣告された方は皆さん・・・。」
医者が言いかけたとき、優莉は言った。
「あなたはいいでしょう。優の心臓を治すと言って、主治医になったのに、いざとなればやっぱり治せません、だなんて。」
ガラガラガラ
診察室のドアが開いた。
優莉は振り返った。
そこには優が立っていた。
「ゆ、ゆう。あなたずっとそこで?」
優莉は動揺していた。
「私、死んじゃうの?」
優は口を開いた。
「優、ごめんね。ごめんね。母様が優を弱く生んだ
から。」
優莉は優の言葉を聞いて、泣き崩れた。
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