「余命3ヶ月」

2/3
19人が本棚に入れています
本棚に追加
/111ページ
「余命3ヶ月」 主治医の発した言葉はとても冷たく思えた。 「そんな。優はまだ12才 ですよ?」 優莉の目からは涙が溢れていた。 「優ちゃんの心臓はもう限界まで来ています。これ以上は無理でしょう。」 「優は、優は・・・。」 優莉は椅子から落ちかけた。 「お母様、落ち着いてください。余命を宣告された方は皆さん・・・。」 医者が言いかけたとき、優莉は言った。 「あなたはいいでしょう。優の心臓を治すと言って、主治医になったのに、いざとなればやっぱり治せません、だなんて。」 ガラガラガラ 診察室のドアが開いた。 優莉は振り返った。 そこには優が立っていた。 「ゆ、ゆう。あなたずっとそこで?」 優莉は動揺していた。 「私、死んじゃうの?」 優は口を開いた。 「優、ごめんね。ごめんね。母様が優を弱く生んだ から。」 優莉は優の言葉を聞いて、泣き崩れた。
/111ページ

最初のコメントを投稿しよう!