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アッシュ系の髪色に整った顔立ち…
多分こういう男を爽やかていうんだろう。
美咲は一瞬だけ彗に視線を向けて思った。
絶対水樹はこいつに惚れたと…
(水樹はこういう男に弱いからな。仕方がない…、ものすごく不愉快だが、あの手を使うしかないか。)
教室についた三人はそれぞれ男女で別れて名簿順で座った。
(水樹とは離れちゃったな…)
美咲が2列先の真ん中らへんに座る水樹に目を向ける。
ちなみに美咲は右から2列目の一番後ろで、彗はその隣の列の前から二番目だった。
(あぁ…水樹があいつをみてるのここからだとすぐわかるな…)
心の中に歪んだ感情が湧き上がる。
(これからどうするか…)
そう考えていると担任が教室に入ってきてホームルームを始めた。
「後ろの席で目が悪い奴は前のやつと交代してもらえ。」
担任がそう言うと、水樹がさっと手を上げた。
「先生、私前がいいです。」
そう言ってそそくさと一番前の女の子と変わっていた。
これで水樹は彗の斜め前になった。
しかし、それと同時に美咲の隣の男子が手を上げて前の席を望んだが、一番前の席の男子も目があまりよくないということで彗が美咲の隣にくることとなった。
「よろしくな美咲!」
「うん…」
水樹の殺気の混じった視線が美咲に突き刺さる。
(自業自得なのに…)
でも美咲にとっては結果オーライだった。
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