麗しの男の娘

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(うわ…やっぱ近くで見るとまぢできれいだ…) 校門であったすれ違った時、運命だったと思った。 俺の理想が絵から飛び出したみたいな… とにかく近づいてみたらめっちゃいい匂いするし。 (でも男なんだよな…) ため息混じりに隣に座る美咲を見つめていると、冷たい視線が突き刺さった。 「…何?俺の顔みて何にやついてんの。」 「ははっ…いや、なんでもない。てか、君見てんの俺だけじゃないし。」 確かに美咲の周囲の人間だけでなく、遠くの席の生徒も美咲を見てこそこそと何かを話していた。 「別に…あんたのが気に入らないだけ…」 「つれないな―、美咲は…」 困ったような笑顔を見せながら美咲から視線を逸らす彗。 「後…美咲って呼び捨てにされるの好きじゃないから。」 (まぁ…お前限定だけどな。) 美咲がツンとした態度で彗に接しているといつの間にか、ホームルームが終わったのか、一目散に水樹が席に駆け寄ってきた。 「ちょっと!美咲、あんたは何でいつもそうなのよ?失礼じゃない。」 「ねぇさんには関係ない…」 「いいよ水樹ちゃん、俺気にしてないから…てか美咲って水樹ちゃんのことねぇさんって呼んでるんだね。」 バンッ! 教室中の視線が美咲に集まる。 美咲が机を勢いよく叩いて立ち上がったからだ。 「気分悪い…」 そう言って美咲は教室をでていった。 「ちょ…美咲!」 慌てて水樹が美咲を追いかけようとすると彗がそれを止めた。
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