19人が本棚に入れています
本棚に追加
(うわ…やっぱ近くで見るとまぢできれいだ…)
校門であったすれ違った時、運命だったと思った。
俺の理想が絵から飛び出したみたいな…
とにかく近づいてみたらめっちゃいい匂いするし。
(でも男なんだよな…)
ため息混じりに隣に座る美咲を見つめていると、冷たい視線が突き刺さった。
「…何?俺の顔みて何にやついてんの。」
「ははっ…いや、なんでもない。てか、君見てんの俺だけじゃないし。」
確かに美咲の周囲の人間だけでなく、遠くの席の生徒も美咲を見てこそこそと何かを話していた。
「別に…あんたのが気に入らないだけ…」
「つれないな―、美咲は…」
困ったような笑顔を見せながら美咲から視線を逸らす彗。
「後…美咲って呼び捨てにされるの好きじゃないから。」
(まぁ…お前限定だけどな。)
美咲がツンとした態度で彗に接しているといつの間にか、ホームルームが終わったのか、一目散に水樹が席に駆け寄ってきた。
「ちょっと!美咲、あんたは何でいつもそうなのよ?失礼じゃない。」
「ねぇさんには関係ない…」
「いいよ水樹ちゃん、俺気にしてないから…てか美咲って水樹ちゃんのことねぇさんって呼んでるんだね。」
バンッ!
教室中の視線が美咲に集まる。
美咲が机を勢いよく叩いて立ち上がったからだ。
「気分悪い…」
そう言って美咲は教室をでていった。
「ちょ…美咲!」
慌てて水樹が美咲を追いかけようとすると彗がそれを止めた。
最初のコメントを投稿しよう!