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「え?あっ、大丈夫だから…はは。」
なんとか笑ってごまかす水樹。
「それでね、なんだかイライラしたり、ぼーっとしたりが続いてるのよ…」
はぁーとため息をつき机に視線をむける。
「ふーん…」
そして考えこむような素振りを見せた後、何か考えついたように彗が手を叩いた。
「そうだ、俺が美咲の話聞いてあげるよ。」
「え?」
水樹が視線を机から彗に移す。
「やっぱ、あいつも男だし、男同士の話し合いっての?その方があいつも言い出しやすいかなって!」
「で、でも…」
「大丈夫だって!俺に任せてよ。」
そう言って彗が胸を張った。
「ありがとう…」
「それに…」
「?」
「水樹ちゃんは美咲と似てないっていってたけど…、俺は水樹ちゃんは水樹ちゃんの魅力があると思うよ?」
「え?」
水樹の顔が一気に赤くなる。
「水樹ちゃんのかわいい顔にそんな悲しい表情は似合わないよ!だから俺は水樹ちゃんが笑顔になれるためにもがんばるね。」
そう言って席を立つと、
「授業もそろそろ始まるし、美咲連れ戻してくるよ!」
と、勢いよく飛び出していった。
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