麗しの男の娘

13/17
前へ
/169ページ
次へ
「え?あっ、大丈夫だから…はは。」 なんとか笑ってごまかす水樹。 「それでね、なんだかイライラしたり、ぼーっとしたりが続いてるのよ…」 はぁーとため息をつき机に視線をむける。 「ふーん…」 そして考えこむような素振りを見せた後、何か考えついたように彗が手を叩いた。 「そうだ、俺が美咲の話聞いてあげるよ。」 「え?」 水樹が視線を机から彗に移す。 「やっぱ、あいつも男だし、男同士の話し合いっての?その方があいつも言い出しやすいかなって!」 「で、でも…」 「大丈夫だって!俺に任せてよ。」 そう言って彗が胸を張った。 「ありがとう…」 「それに…」 「?」 「水樹ちゃんは美咲と似てないっていってたけど…、俺は水樹ちゃんは水樹ちゃんの魅力があると思うよ?」 「え?」 水樹の顔が一気に赤くなる。 「水樹ちゃんのかわいい顔にそんな悲しい表情は似合わないよ!だから俺は水樹ちゃんが笑顔になれるためにもがんばるね。」 そう言って席を立つと、 「授業もそろそろ始まるし、美咲連れ戻してくるよ!」 と、勢いよく飛び出していった。
/169ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加