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「みさ…美咲!」
「んっ…、どうしたの…ねぇさん。」
少年が瞼をこすりながら上半身をベッドから起きあがらせる。
シルクを思わせるような銀髪の長い髪。
美しく影を落とすくるりとした睫毛(マツゲ)。
さらには陶器のように艶やかな白い肌。
まさに全ての美が集っているといってもいい容姿をもつこの少年こそ、この話の主人公である天堂美咲である。
「どうしたの?じゃないでしょ!またあんたは裸で寝て!風邪引くから止めなさいって何回もいってるじゃない!」
美咲の双子の姉水樹(ミズキ)が顔を少し赤くしながら美咲を怒鳴る。
「ちょっと美咲、ちゃんと聞いてるの!」
「………。」
よく見ると、美咲は再び目を閉じて寝ていた。
ワナワナと水樹の肩が震える。
「今日は入学式でしょ!早く支度をしなさ―い!」
そういって美咲にかかっていた布団を勢いよく引っ張った。
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